はじめに
パートナーが腎臓病と診断され、人工透析を受けるようになってから、僕たちの暮らしは少しずつ変わっていきました。
その中で、僕にできることは何か――たどり着いたのが「食事づくり」でした。
知識も経験もないところからのスタートでしたが、栄養指導や本・動画などを参考にしながら、少しずつ工夫を重ねてきました。
今回は、僕たちがどのように透析と向き合い、日々の食事を続けてきたかを、正直な気持ちで綴ってみたいと思います。
食事管理が始まるまで
付き合い始めた頃、パートナーは腎機能にやや問題があるとは聞いていましたが、特別な対策はせず普通に過ごしていました。
ある時、急に血圧が高くなり、普段病院へ行かない人が自ら受診。紹介された大きな病院での検査を経て、降圧剤と食事管理を始めることになりました。
僕も一緒に病院へ行き、医師や管理栄養士の指導を受けましたが、指導内容に一貫性がなく戸惑うことが多かったです。今振り返っても、この時期が一番大変でした。
結局、「腎臓は元に戻らない。だからこそ、悪化のスピードを少しでも抑えることが大切なのだ」と理解するに至りました。
透析を受けるようになって
やがて、透析を受けるようになり、それまでの厳密な食事制限は少し緩めることにしました。現在は月に2回の血液検査の結果を見ながら、必要に応じた食事を心がけています。
※この食事管理の方法は、あくまで僕たち自身の解釈とやり方です。すべての方に当てはまるわけではないことを、あらかじめご了承ください。
料理との出会い
僕が料理を始めたのは子供の頃。共働きの両親のもとで、食事は自分でなんとかするしかありませんでした。
母は包丁や火を使うことに寛容で、姉もお菓子作りをしていたことから、遊び感覚でキッチンに立つようになりました。失敗ばかりでしたが、それも含めて楽しい時間でした。
その後、一人暮らしが長く続き、料理は「やらざるを得ないもの」に。でも、自分で食べる分なので、失敗しても気にならず、むしろ嫌いではありませんでした。
外食と自炊
外食は、好きなものばかり頼んでしまうし、味付けも濃くてすぐに飽きてしまいます。胃腸に負担がかかることも多く、何より食費がかさむ…。そういった理由もあり、自炊が自然と増えていきました。
コロナ禍と調理家電
コロナ禍をきっかけに、自宅での食事が増え、調理家電に興味を持つように。
この時点ではまだパートナーの食事管理は始まっていませんでしたが、調理家電について調べる中で、勝間和代さんの情報発信に出会いました。
勝間和代さんとロジカルクッキング
勝間さんが紹介していたのは、シャープの「ヘルシオ」シリーズ(オーブンレンジやホットクック)。さらに、ロジカルクッキングという考え方にも触れました。
ロジカルクッキングの提唱者である水島弘史さんいわく、「おいしいとは塩分が食材の総量の0・6~0・8%である」。
勝間さんの著書「勝間式 超ロジカル料理」より
僕はこれを応用して食材の総量の0.5〜0.6%を目安に塩分を調整。例えば、食材が200gなら塩分1gほどになります。
このルールを知ってから、塩加減の悩みがぐっと減りました。勝間さんの著書『勝間式 超ロジカル料理』も参考にしています。

奥薗壽子さんの料理
食事管理を始めた頃に出会ったもう一人の存在が、奥薗壽子さん。
著書『極うま 減塩レッスン』を読み、YouTubeでも動画を見るようになりました。調味料が少なくても下味の付け方でしっかり味が決まるので、とても参考になります。
材料もシンプルで、工程も少なく、アレンジしやすいのが魅力です。
これからも
現在は透析を受けながらの生活ですが、毎月の血液検査を頼りに、その時その時で必要な食事を見直しながら続けています。
料理は決して上手くないけれど、パートナーの体のために、そして少しでも一緒に笑って過ごせる時間が増えるように、これからも台所に立ち続けていきたいと思っています。
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